『かげろう』 ギャスパー・ウリエル、エマニュエル・ベアール
戦争未亡人と、息子ほど年の違う青年の淡い短期間の情事・・・
そんな映画かな、と思ってたんですよね。よくあるじゃないですか?
でも・・・それよりもっと、人間として哀しい・・・映画でした。
彼らが初めて結ばれるのは、ずっと映画の最期の方です。
夫人は戦争に巻き込まれて家を失った自分と子供たちを、助けてくれ、いたわってくれる粗野な青年を警戒し続けます。子供たちは彼に心を開くけれど・・・。
タイトルの意味が、最期にわかります。
私は、かげろうは、女だと思っていました。エマニュエル・ベアールだと。
けれど・・・
ギャスパー・ウリエルは、『ハンニバル・ライジング』でかなりがっかりした俳優なのですが、この映画の、無骨でシャイで、逞しくそして哀しい姿に、役者って素晴らしいと思いました。
伏し目からエマニュエル・ベアールを見上げるそのまなざしの一途さは、痛いほどです。
あんなふうに恋焦がれられるというのは、どんなに、苦しくて美しいことだろう。
我慢に我慢を重ねたふたりの、耐え切れない思いがやっとぶつかる瞬間・・・
こういう恋愛を、羨ましいと思った。本当に。
でも、ラスト・・・泣く暇もなかった。
やりすぎない脚本が良かったです。
とても良い映画だった。
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