☆ストーリー☆
1972年2月に連合赤軍(共産主義思想の過激派団体の名称)が軽井沢のあさま山荘に管理人の妻を人質として篭城した実際の事件をもとに映画化。フィクションとしているが、内容はノンフィクションに近く、映画は警察側の視点で描かれ、写実的。
過激派テロ対策のプロ佐々警視正(役所広司)が事実上の指揮をとり、人質解放を目的として、連合赤軍と激しい攻防を繰り広げる。しかし実際は、現場を知らないキャリア官僚と現場の厳寒・恐怖・混乱の中で、警察は疲弊してゆき、人質の安否さえわからない状況で、銃装備の許可すらおりない。
過激派を生きたまま逮捕することと人質の救出を目標とし(過激派思想家を警察が殺すと、その思想家が『殉教者』として英雄視され後々多大な影響を及ぼすことになるため。また国家公務員・警察の任務として、自己を省みず民間人を救うことが目標とされたため)、多数の負傷者と殉職者2名を出したこの実際の事件は、生中継でTV放映され、視聴率は90%を超えた。
私的星数
★★★★☆
立松和平著作の『光の雨』は劇中劇の手法をとったのに対し、赤軍メンバーを終始一貫して登場させず、警察側の視点に立って描いたのが臨場感があってよかったのだとおもう。
史実に基づくと、連合赤軍についてはタブーが多いため、内側から描けなかったのかもしれない。
最後にリーダー格のメンバー役で武田真治が2秒位うつるが、なるべく描写しないようにしている。
立松和平が当初『光の雨』で劇中劇手法をとらずにドキュメンタリー形式にしたのが、獄中の元赤軍に訴えられ、謝罪をするという事件があったらしい。
この映画は、鬼気迫る攻防戦、死者が出る場面においても、淡々とした描写と皮肉なセリフの掛合いがうまい空気抜きの役目を果たしている。久しぶりに退屈せず見入ってしまった。
殉職者が出ても湿っぽい場面はなく、常に細部を描写することで警察側内部の混乱をうまく描き出している。
思想的な偏りを煽るのではなく、ただ人間として佐々警視正と彼の率いる部隊がどれほど冷静かつ真剣に事件に取り組んだかが自ずとわかる。
管理人役の松尾スズキ御大、一瞬登場の篠原涼子等、脇役が良い味を出していた。
また、伊武雅刀の無能本部長ぶりも冴えていて、役所広司は相変わらず何をやっても本人に見えるからすごいとおもう。男ばっかりの映画。
突入せよ!「あさま山荘」事件

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